Blagny 2000 Domaine Matrot

昨日の夜、最後の予約テーブルが到着されたのは、かなり遅い時間。
オフシーズンの今週は、早く仕事を上がれるチャンスだったのに・・・
しかもこのカップルは、なかなかオーダーが決まる気配がありません。

痺れを切らして伺いに行くと・・・

「何がお勧めですか?」
「(決めてなかったのかぃ?)シェフのお料理は何でも美味しいのですが・・・
メニューにしますか、それともア・ラ・カルトで一品?お腹の空き具合は?」

「うーん、アナタのお勧めによります。」
「(へ?)お肉とお魚、どちらを召し上がりたいですか?」
「何でも好きなんですよ、ほんとに。迷っちゃうなぁ。」

こういうのを、フランス語では「カルト・ブランシュ」白紙のメニュー、といい
つまりすべてをスタッフに一任していただくことです。
ソムリエとして面白みはあるけれど、このお客様の好みがイマイチ不明・・・

「(優柔不断もいい加減にして!)それでは、仔牛の胸腺肉はどうでしょう。」
「はい、じゃそれにします。」
「(オイオイ言うなりだよ・・・)それから、前菜にセープ茸のラビオリなどは。」
「はい、じゃそれで。ワインも選んでください。」
「ん~軽めの赤が良いでしょうね。お好みは?(どうせ何でもって言うんでしょ)」
「何でも好きなんですよ。」
「2002年のペルナン・ベルジュレスがありますよ。」
「悪くないね。あーでもこの前うちで飲んだペルナンはイマイチだったな。」
「(ムッ!)うちのワインリストには悪いものはないので、心配しないでください。
それでは、せっかくここに来られたのだから、モレとかシャンボールとか。」

「それが選んだ料理に一番合うのかなぁ?」
「(この料理にはこのボトル、なんて唯一の答えはないのよ!)
マッチングの可能性はいくつもありますので、お客様のお好みに近いものを・・・」

「うちのカーヴにある、クロ・ヴージョはおいしかったなぁ。」
「(ムッ!じゃークロヴジョにしなよ)どちらの生産者だったんですか?」
「覚えてないんだけど。」
「(アララ・・・アンタに飲ませるには勿体ない)伺いたかったのに残念ですわ。」

もうこの方には、何それ?というワインで、ギャフン!美味しい!と言わせるしか・・・

「有名でないですが、隠し玉があります。ジャン!ブラニーはご存知ですか?」
「知らないなぁ。」
「(シメシメ・・・)ブラニーは白ワインで有名なムルソーの隣にある小さな村ですが
良質な赤を作っているんですよ。ぜひお試しください。」

「アナタがそう言うなら・・・」

ふ~この間15分の格闘。同僚たちがヨッシャ!と動き始めます。












Blagny 2000 《La Pièce sous le Bois》 Domaine Joseph Matrot

グラスを鼻に近づけたムッシュー、んっ!といった表情。ソウダロウ、ソウダロウ・・・
赤い果実味豊か、タンニンも柔らかく、豊満というに相応しいワインでしょう。
偉大な白ワインの陰に隠れがちですが、BlagnyやChassagneの赤ワインには
控えめながらも、繊細で香り豊かなお宝がザクザクあります。

この1本のお陰で、お料理もすべて美味しく召し上がっていただけて
お客様も大満足。ドメーヌ・マトロさん、助かりましたアリガトウ~♪
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by casteltresgirard | 2007-03-10 00:30 | おすすめワイン
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