<   2009年 03月 ( 4 )   > この月の画像一覧

ワイン評論家の舌

今晩は、あるプロフェッショネルのお話を。

アメリカ人のワイン評論家P氏は、当ホテルをわが家のように常宿にしていらして
だいたい年に4~5回、ガイドブック執筆のためのテイスティングで詰められます。
3日間くらい、朝食サロンを貸切にして立てこもり、朝から晩までティスティング。

中心メンバーとなるのは、恋人でもあるフランス人ソムリエE女史、同僚のH氏、
それに昼食を挟む時には、地元のワイン生産者(モレ村で父子で各々やっている
あのドメーヌね)が加わって7人ほどに、テーブルの上は「試飲グラスで満杯」。
お食事なんて、どこに置いたらいいのよぉ・・・。

ですが、たくさん試飲できるから良いかというと、彼らの仕事ぶりは「ストイック」。
この日を目指して、フランス各地の無名であろう生産者達から、次々と宅急便で
サンプルが届くのですが、その数は半端ではなく・・・3日分で200アイテムほど?
一口飲んで、評価に困ってしまうようなワインも、時には含まれている様子です。


さて、そんな大仕事を終えたP氏は、最後の晩はE女史とふたりきりで
ゆっくりと骨休めをされてから、また旅立たれます。今晩のディナーもそうでした。

厨房に余裕があったので、シェフは「今晩はフリースタイルでやりますと伝えて」。
今が旬の白アスパラガス、ポーチドエッグ(これが白身と黄身がなぜか別々で)、
パルメザンチーズ、砕いたカシューナッツ、バルサミコ酢を仕上げソースで掛けて。

P氏は、「う・・・む、サンセールかな」とおっしゃる。あいにく今は切らしておりまして。
彼女とゴニョゴニョと話した末、選ばれたのは「Côtes de Thongue」という南仏の
ヴァン・ド・ペイの2001年。これを仕入れた2002年頃はフルーティで大変おいしい
ワインでしたが、これは最後の売れ残りの1本。果たしてどう熟成していることやら?

「責任持ちませんよ~(笑)」という私の言葉を制して、抜栓、テイスティング。
アハハ!何だかアルザスのピノ・グリを思わせる味、かなりトロ~リした舌触りですね!
「これだけで飲めば、まぁ悪くないけどな。アスパラガスには、モレの赤を出してよ。」

あとでE女史が、どうしてモレ・サン・ドニの赤のほうが良いのかを教えてくださいました。
アスパラガスの苦味、パルメザンの苦味、カシューナッツの苦味、それをシェフは
ポーチドエッグの白身で中和させ、バルサミコ酢の甘みでカバーしようとしている・・・。
彼らは、ヴェジタル(青臭い)ワインを合わせたくて、サンセールが飲みたかったらしい。

サンセールが無いなら、赤ワインのタンニン・苦味と合わせるというのもひとつの手。
アスパラガス=白ワインと思い込んでいた私は、アタマをガツーンとやられた気分でした。
そうか、アルザス地方ではミュスカを合わせるけれど、ほんのりと苦味のある品種です。

1日の仕事を終え、真っ暗なブドウ畑の中をクルマを走らせて帰宅する途中、
「あぁ・・・あった!たぶんアレを勧めれば良かったんだ!」 いつも後になってもっと良い
アイデアが浮かぶ私、もう少しアタマの回転を早めないと、ダメダメですね~。



「Bourgogne Côtes d'Auxerre」 Blanc 2005年 Domaine G & J-H Goisot
シャブリの近くに位置する、St-Bris村にあるドメーヌ。この村ではブルゴーニュとしては
例外的にソーヴィニョン・ブランが植えられていて、彼らは村の生産者としては第一人者。
これはシャルドネで造られていますが、いわゆる「こっちのシャルドネ」とは違う味わい。
どうですかね?
[PR]
by casteltresgirard | 2009-03-24 22:10 | おすすめワイン

WINE CLUB+ メールマガジン




Mail Magazine "FINAGE" vol.3 2009年3月号 に当ホテルが紹介されました。

+Voyage
「特級街道の素敵なオーベルジュ」 カステル・ド・トレ・ジラール

ディジョンからボーヌにかけての20kmに渡って広がる葡萄畑に
ヴォーヌ・ロマネやシャンベルタンなど名立たるAOCが肩を並べるコート・ド・ニュイ地区。
中でも優れた赤ワインとごくわずかの白ワインが造られているモレ・サン・ドニにある
アットホームな雰囲気のオーベルジュをご紹介します。

全9室の客室は、どれも広々としていてロマンティックな雰囲気。お勧めは、葡萄畑が
窓から見晴らせる天蓋付ベッドのあるスイート。ゆったりと寛げる空間を醸し出している。
また、レセプション脇の大きな棚には、地元の生産者が自分たちで飲むために
キープしているワインがずらりと並び、夜ともなるとレストランに、シェフの料理と
ワインを楽しみにわいわい集まってくる。

このレストランには、花田さんという日本人女性ソムリエールが常駐していて、
日本人のお客様には心強い味方となり、レストランが所有する1001種類もある
ワインリストの中から料理に合うワインを、予算と好みに応じてチョイスしてもらえる。
オフシーズン限定で花田さんによる近くのカーヴ案内(日中限定、1時間のみ)と
朝夕の食事ががセットになった宿泊プランが人気だ。葡萄畑の中、美味しいワインと
食事を楽しめる素敵なオーベルジュに出会う旅にでかけてみては?

f0122044_2242482.jpgf0122044_2251022.jpg



「WINE CLUB+」では、ソムリエ石田博さんがナビゲーターを務めておられますが
このメルマガの冒頭の、彼のメッセージは、私も「うんそうそう」と何度も読みました。

+Message
"Le vin est un des meilleurs facteurs de convivialité".
直訳すると、「ワインは、和気藹々(わきあいあい)とした団欒の最高のツールである」と
なります。お酒は、人類史上さまざまな役割を果たしてきました。
信仰、政治、経済、教育…、もっと身近なところでは、歓談、接待、交渉、プロポーズ、
ストレス発散ととても使い勝手のよいものです。しかし、時に酒は逆にストレスの素に
なってしまったり、仲たがいの原因、失言、失態を引き起こしたりすることがあります。

ですので、この言葉を聞くととてもホッとした気分になります。
ワインは団欒、楽しく飲みたいお酒です。それとも、「今日はワインを飲むのだから、
難しい話はやめよう」、そんなふうに思ってコルクの抜くのが一番です。

シャンパーニュの名門クリュグ社のオリヴィエ・クリュグさんは、こう言っています。
「空になったシャンパーニュのボトルをみるのが好きだ。なぜならそこには
楽しい会話や思い出が、シャンパーニュがなくなった分だけ詰まっているから」。
ワインのボトルは、囲まれたテーブルの会話や雰囲気を吸い込んでいるのです。

石田 博

f0122044_23134714.jpgf0122044_23141740.jpg

クリュグ氏がおっしゃているのと同じ事をやっているのが、まさにわが家のキッチン。
食器棚の上に並ぶ空ボトルは、マルサネあり、ローヌあり、日本のワインだったりと
様々ですが、一緒に飲んだ友人達のメッセージと日付が入っているのです。


「WINE CLUB+」の活動概要とメンバー登録は、こちらのHPからどうぞ。
スタンダードメンバーは、年会費無料ですので、私もさっそく登録してみましたヨ。
月1回のメルマガの他、ワインメーカーズディナーorランチ、カジュアルパーティ、
石田博さんによる講義、ワイナリーツアーなどのイベントもあるようです。
[PR]
by casteltresgirard | 2009-03-17 13:59 | ガイドブック・雑誌取材

宿泊+お食事+カーヴ訪問のパッケージ

当ホテルが加盟する「Châteaux & Hôtels Collection」
フランスの旅・滞在・グルメをトータルでナビゲート、コーディネートできる、心強い味方。
アラン・デュカス氏が、グループの統括ディレクターを務めています。

「Châteaux & Hôtels Collection」日本支部を通して、ご予約くださるお客様のために
この春より、新しい宿泊パッケージを設定しましたので、ご紹介させていただきます。

ブドウ畑が望める客室ご宿泊 (スイートルームの設定もございます)
ホテル内レストランでのディナー (前菜・メイン・チーズ・デザートのコース、飲料別)
朝食サロンでのビュッフェ
日本人ソムリエ同伴による、ドメーヌ1軒訪問 (ドメーヌまでの移動はお客様にて)

詳細や料金などのお問合せは、日本支部の笠井美恵子さんまでメールでどうぞ。


さて、笠井さんは、昨年12月に当ホテルの視察にいらしてくださったのですが
落ち着いた静かな雰囲気の客室や、ブドウ畑(特級畑のクロ・ド・タールです!)が望める
太陽光いっぱいのレストランを気に入ってくださり、今後もますます一緒に力を合わせて
お仕事をしていきましょうとお約束。

そして2月には、今度は私が日本支部を訪問させていただきました。

f0122044_0114592.jpg

右が笠井美恵子さん、左はアシスタントの吉田むつみさん、真ん中が私です。

オフィス近くにある、シックな和食レストランで、ランチをご一緒させていただきました。
ここは日本のビジネス街ですから、マジメにアルコールも一切ナシで・・・
しかし私ったら、魅力的なメニューがたくさんあるのに、どうして「ビビンバ丼」を?(笑)
これもフランスでは滅多にない、しかも実家では出てこないもののひとつですから。
[PR]
by casteltresgirard | 2009-03-16 15:48 | パッケージツアー

またもや、ご無沙汰をしました

昨年春にも「ご無沙汰いたしました」と書きましたが、どうも私には「冬眠癖」があるらしく。
10月末を最後に、更新をお休みしていました。

11月の「栄光の3日間」のお祭り後の2週間、2月の「バレンタインデー」後の2週間半、
当ホテルは毎年お休みを取らせていただいているのです。それにさらにプラスして私は
1月末から5週間半の連休を取り、娘を引き連れて日本に帰省しておりました。

5週間半!と驚かれる方も多いですが、フランスのサラリーマンには年間最低5週間の
有給休暇があります。ホテルレストラン業界は、企業によっては6週間の所もあります。
加えて、入社1年経つと「祝祭日」という名目で1週間、これは年を重ねるごとに3日ずつ
増えていきます。カステル・ド・トレ・ジラールに戻って4年の私には・・・ホクホクです!

こんな事を言ってはナンですが、日本の会社勤めのように、上司への遠慮はありません。
それぞれがキッチリ休暇を取って、人生を楽しまないと、お客様に本当の笑顔や真心は
振り撒けません・・・デス。


さて、1ヶ月間の日本滞在から戻ってきたら、ブルゴーニュも少し暖かくなっていました。
現在のところ、日中は12~13℃まで上がることが多く、強い風さえ吹いていなければ
コートがなくても、ブドウ畑散歩が楽しめるくらいの小春日和です。

今年のシーズンも、さらにたくさんの日本からのお客様をお迎えできますことを
楽しみにお待ち申し上げております。ご予約・ご質問などは、日本語メールでどうぞ。


カステル・ド・トレ・ジラール 花田砂丘子
[PR]
by casteltresgirard | 2009-03-16 15:01 | ソムリエの独り言