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「フランスの台所」を垣間見る旅

今週2組目のお客様は、若い女性のひとり旅。
ところが災難なことに、フランスでは10月18日に国鉄のストが予告されており
前夜にシャルル・ド・ゴール空港に着いた彼女は、パリから動けなくなりました。

ホテルのフレンチレストランで働いていて、今夏のソムリエ試験も受験したので
ブルゴーニュを見てみたかったというその方は、電話口で泣き崩れてしまいました。
私も「それでもせっかく飛行機に乗ってパリまで来られたのですから
いろいろ見て、美味しいものを食べて、少しでも思い出を作って・・・」と言ったものの
自分が彼女の立場で、夢いっぱいで来た初めてのフランスでこんな状況になったら
と考えると気が滅入りました。

幸い、翌19日は間引き運行されたため、1日遅れて昼過ぎに到着されたようですが
身も心も疲れ果てたお客様が、ホテルの部屋から電話をくださったのは15時。
夕方までの約2時間でしたが、1日目は「ドメーヌ・ベルターニャ」でワインを試飲して
クロ・ド・ヴージョ城ロマネ・コンティの畑など、黄金の丘の景色を楽しみました。

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ディナーは、ホテル「カステル・ド・トレ・ジラール」で季節のメニューを。
おひとりの場合でも、白4種、赤4種、デザートワインをグラスでお出ししていますし、
ハーフボトルは赤白それぞれ1ページ分、かなりの選択肢をご用意しています。

今晩は、「ドメーヌ・アルロー」のモレ・サン・ドニ2003年をハーフボトルで。
アルロー家は、お父さんと2人の若い息子さんが精力的に丁寧な畑仕事をしていて
さらには末娘さんが馬で耕しているという、典型的かつ理想的な「ヴィニュロン一家」。
彼らのワインは素直な味がして、私の好きな造り手さんのひとつです。
パリ到着からの辛かったことは忘れて、今晩はどうぞゆっくり休まれてください・・・。

翌朝は、近くにあるチーズ工場「ゴーグリィ」へ。今日はたまたまガイドさんがいて
詳しい話を聞くことができました。オリヴィエ・ゴーグリィさん・・・って社長自らガイド!?

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と思ったら、今日はたまたま「お客様感謝祭」なのでした。
フランスでは、10月に「La Semaine du Goût」 食と味覚の週間、というのがあり
それに伴ってのこのイベントは、今年で3回目だということです。

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ブロッショネ、スーマトランプレジール・オ・シャブリラミ・デュ・シャンベルタン
エポワスサンドレ・ドゥ・ヴェルジィ・・・それぞれ基本はエポワスで、熟成工程に若干の
違いを出したものですが、それにしてもバラエティ豊かですね。
近年新しく立ち上がった「ドメーヌ・バロラン」が、白赤ワインを出展していました。

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思いがけないイベントで、お腹がいっぱいですが、ボーヌに出発です。
お客様の初ワインは、モレ・サン・ドニ「クロ・デ・ゾルム」ドメーヌ・ジョルジュ・リニエ
だったそう。そのワインができた場所を、記念に訪れてみようということになりました。

ボーヌの町では、毎週土曜日に朝市が開かれます。
チキンのグリル、牡蠣、チーズ・・・どれも美味しそう。私がご贔屓にさせてもらっている
ソーセージのスタンドでは、ちょっと変わりダネのソーセージが1本3,50ユーロですが
3本買うと9ユーロにしてくれます。イチジク、サンネクテールチーズ、胡桃入りを購入。

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ランチは、おしゃれな雰囲気のビストロ「グルマンダン」でいただきました。
本日の一品(今日はコック・オ・ヴァン、雄鶏の赤ワイン煮込みでした)とデザートの
軽めのコースがちょうど良いです。グラスワインも10種以上揃っています。

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隣の「アテネウム」は、ワインと食に関する書籍類、テイスティングコーナー、
グラスやソムリエナイフなどのアクセサリー、ギフトなどの品揃えも良いショップ。
ゆっくりお買い物を楽しんでいただいた後、少々駆け足で「オスピス・ド・ボーヌ」
見学します。ここはブルゴーニュでは必ず観ていただきたい所です。

短い時間ではありましたが、今回はフランスの食の豊かさを感じ取っていただけた
ことと思います。ワインの試飲は多少減ってしまいましたが、日本でいろいろ飲まれて
楽しく続けられてください。生産者に会ってみたくなったら、またいらしてくださいね。


オーダーメイドのワインの旅、お手伝いします。お問い合わせはメールでどうぞ。
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by casteltresgirard | 2007-10-20 22:47 | 通訳ガイド・オーダーメイド

憧れの生産者に出会う2日間の旅

今週のカステル、日本人のお客様がなぜかとても多いです。
そんな中から私にガイドツアーの依頼をくださる方が、立て続けにいらして
3組連続でご案内することになっています。

日本は、夏休みでもなし、連休でもなし、なぜ今に集中したのでしょうね?

1組目のお客様は、東京の某ワインアカデミーに通われる女性おふたり。
モレ・サン・ドニやシャンボール・ミュジニーのワインが好きな方々で
事前に訪問先としてご希望をいただいた中から、アポが取れた3軒を訪問。

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午前中は、モレ・サン・ドニ村の「ドメーヌ・ユベール・リニエ」へ。
跡継ぎ息子のロマンさんが若くして亡くなったことから始まったお家騒動、
ユベールさん(お父様)とケレンさん(お嫁さん)の確執が気になりますが
今回は、ユベールさんの方が訪問を快諾してくださいました。

コンタクトを取った電話口で、「そうね~11時半ごろに来てもらえるかな?
昼前のちょっとした時間しか取れないけど、Bonne Franquetteってヤツよ。
分かるかな~この表現?」って分かりますけど・・・アペリティフ代わりってこと?

写真は、ユベールさんと奥様のフランソワーズさん。5種のワインと一緒に
コンテチーズまで用意していただき、サロンでゆっくりとお話を伺いました。
「1er cru Faconnières」と「Clos de la Roche」の2006年、どちらも
ブラックチェリーのジャムのような濃厚な香りと、シットリとした舌触りのタンニン、
酸味とのほどよいバランスが素晴らしかったです。

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ランチは、シャンボール・ミュジニー村の「Le Chambolle」へ。
小さな店ながら、若いご夫婦の温かいもてなしとセンスの良い内装が素敵です。

私は所用があったので自宅に戻り、午後のお約束の時間にレストランに行くと
向かいのテーブルのオジサンが、じーっとこちらを窺っています。
「あの~お嬢さん、もしかして、お向かいでアポがありませんか?」
「は・・・ぁ・・・(ムム!このオジサンはどこかで見たことがあるぞ。)」
「急がなくていいですから。ボクもまだ食べてる途中なんで。笑」

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・・・とおっしゃった後に、ボトルを更に1本注文したこの方!
待っている間に、シャンボール村を一周歩いてきてしまいました。

「ドメーヌ・ユドロ・バイエ」では、思ってもみなかった樽とボトルからの試飲で
彼の温かい人柄に触れ、たっぷり2時間を費やしていただいた貴重なひととき。
ふたつのプルミエ・クリュ「Cras」「Charmes」の04年、05年、06年の比較が
興味深かったです。ミレジムは違っても、テロワールは変わらないものです。

ダメ元で購入の希望を伝えると、シャンボール2004年しかないけど、との返事。
お客様2人は、もう狂喜乱舞!ボトルにサインまでいただいて帰ってきました~!

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外に出ると、すでに夕暮れ時。
すっかり「黄金の丘」となった、ミュジニーからクロ・ド・ヴージョをドライブして
憧れのロマネ・コンティの畑でブドウを摘まんでから、ホテルに帰着です。

2日目の朝は、チーズ工場「Gaugry」見学と試食の後、
昨日行った「ロマネ・コンティ」の隣の畑でグランクリュ「ラ・グラン・リュ」を造る
「ドメーヌ・フランソワ・ラマルシュ」へ行きます。

実は、黄信号でビミョウにアクセルを踏んだらしく、警察が後をつけてきて
ヴォーヌ・ロマネの村で尋問に遭ってしまったのです・・・幸い許してもらいましたが。
15分の遅刻で到着したにも関わらず、笑顔で迎えてくださったマダム・ラマルシュ。

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当然ですがまだ硬さの残る「エシェゾー」や「ラ・グラン・リュ」2006年を樽から
飲ませていただきました。力強いワインです・・・飲み頃になるのはだいぶ先かな。

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これがドメーヌの看板となる畑です。
テイスティングをしながら、やはり畑の標高と土質、ワインの味わいの関係の話に
なりました。ユドロ・バイエさんで飲んだワインの畑も見てみようということになり
シャンボール・ミュジニー村に戻ります。

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途中のミュジニーの畑で、白馬をつかって耕しているエリックさん
バッタリ遭遇。冬に向けての土のコンディション作りが始まる時期なのですね。
足を止めてしばし歓談。こんな行き当たりばったりも、時にはアリです。

今日のスケジュールはゆったりめですので、ボーヌの街でランチをいただいて
終わりです。憧れの生産者に温かい応対を受けて、心が通い合った2日間。
楽しんでいただけたようですね。是非またいらしてくださいね。


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by casteltresgirard | 2007-10-17 22:23 | 通訳ガイド・オーダーメイド

黄金の丘@2007年

収穫を終えて今年の役目を果たしたブドウの樹は
毎朝の冷気も加わって、10月に入る前から急激に紅葉を始めました。

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Clos des Lambraysの上から
Morey-St-Denis村が一望に


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そのすぐ上に位置する
Bidaudesの畑、落葉もちらほら


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Chambolle-Musigny村入口
Fuéesという畑


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毎年の黄金の丘グランプリはここ
Domaine Comte Vogüé
Musigny Grand Cru


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Musignyから見下ろした
Clos de Vougeotの城


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Vosne-Romanée
Beaux Montsから
Richebourgの方角を望む
初めて登りましたが、いい眺め


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同じ場所からSuchots方面
モザイクのような色彩のブドウ畑

冬支度の前に、10月の温かい陽射しをいっぱいに楽しむため
この時期は、私もひときわ頻繁に畑をドライブしますが
毎年これらの畑がコート・ド・ニュイ地区の最もきれいなスポットですよ。
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by casteltresgirard | 2007-10-11 15:17 | ブドウ畑の四季・秋

プレス作業と樽の準備

収穫してから浸透期間、第1次醗酵(ブドウの糖分がアルコールに変化)終了まで
約15日~3週間が通例ですが、今年は少し短めに抑えた生産者が多かった模様。

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9月16日
最初に収穫したブドウのタンクが
醗酵終了。今日は初プレスです。

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搾ったジュースは
一般的に格下のワインになります。

搾り滓は更に蒸留しマール(グラッパ)
にしますが、自社マールを作る場合は
滓を保管して蒸留業者に委託します。
そうでなければ、村外れの空き地に
届けると業者が回収していきます。

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空になったプレス機の掃除。
細かい種と皮がビッシリこびり付いて
いるので、人が中に入って
たわしと流水でこすり落とします。

アルコール醗酵の終わったワインをタンクから出すと、次は樽に入れるわけで・・・

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プレスと同時に樽の準備を始めます。
熱湯を注ぎ入れ・・・

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ゴロンゴロンゴロン!

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ゴロンゴロンゴロン!

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ふたり並んでゴロンゴロンゴロン!

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逆さにして器具に填め込み

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下から水を噴射させながら
樽を回すことによって
内部を仕上げすすぎします。

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新樽が整然と並ぶ地下カーヴは
まっさらな木の香りがして静寂。

毎年定期的におじゃまする生産者などは、並んでいる樽の数で生産量が一目瞭然。
今年はいつもの年よりも、一段少なく積まれているような気がします・・・。
「選果の年」と言われた2007年、ブドウの質を重視したセレクションの結果です。
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by casteltresgirard | 2007-10-08 02:26 | ブドウ畑の四季・秋

NHK-BShi 「生中継・フランス秋色散歩」

10月5日(金)から9夜にわたって、ブルゴーニュ地方からの生中継があります。
「ブルゴーニュ・小さな村の豊かな実り」

「フランスの台所」と呼ばれるブルゴーニュ地方は、ワイン、チーズ、エスカルゴや
シャロレー牛、モルヴァン山地のソーセージなどの産地として知られています。
加えてこれからの秋は、ジビエ、トリュフ、キノコ類、栗やリンゴも美味しい季節です。

この番組の良さそうなところは、「食」をテーマに小さな村ばかりを巡ること。
観光客があまり足を踏み入れない、地元の人々の普通の生活が見られそうです。
豊かな食材と自然の恵みに感謝し、のんびりと暮らせることの贅沢さ。

私がパリでもボルドーでもなく、ブルゴーニュに居ついた理由は「食が豊かだから」。
海こそないものの、山の幸には事欠かず、主人はいつも季節感たっぷりの食材で
家族や友達と、食卓を囲むことの楽しさを教えてくれます・・・。

・・・ちなみに、しばらく前から「アナタも番組のお手伝いとかするの?」と
何人かの方がメッセージをくださいましたが、まさか!国営放送ですよ~!
10月9日(火)「極上のワインを愛でる」に、私達ブルゴーニュ日本人妻の大先輩
ビーズ千砂さんが出演されますので、どうぞお楽しみに♪
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by casteltresgirard | 2007-10-04 02:53 | ガイドブック・雑誌取材