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本物の「ヴィニュロン」に出逢う旅

東京近郊から来られた今日のお客様は、「ブドウ畑の仕事にとっても興味アリ!」
実際に、中央葡萄酒(グレイスワイナリー)さんに、月1~2回ペースで足を運ばれて
それぞれの季節の畑仕事に参加されているのだそうです。

今日は、ジュヴレイ・シャンベルタン村の某ドメーヌで栽培長をしている私の主人にも
助け舟を出してもらって、ランチ後のひとっ働き!?を挟んで、2軒のドメーヌ訪問です。

10時 ホテル「カステル・ド・トレ・ジラール」にお迎えにまいります。
隣りのジュヴレイ・シャンベルタン村までドライブ、シャンベルタンなどの特級畑の説明、
写真撮影などしつつ戻ってくる途中、ドメーヌ・デュジャックのチームを見つけました。

じつは、結婚記念日に飲まれた「モレ・サン・ドニ」のワインが美味しくて忘れられずに
当ホテルへのご宿泊を決めてくださったお2人。「ドメーヌ名を失念してしまって・・・」と
いうことだったのですが、「思い出しました!デュジャックでした!」

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顔なじみのチーフがいたので、もちろん車を停めてお話をいろいろと伺います。
この日は、ジュヴレイ・シャンベルタンとモレ・サン・ドニの境界線のところに位置する
ジュヴレイ一級畑「Combettes」の芽かき作業中でした。

11時 ドメーヌ・ミッシェル・マニャンを訪問。
新しくできたばかりのテイスティングルームで、「モレらしいワインを」とのご希望に合わせ
村名クラス、一級畑「Millandes」「Chaffots」、特級畑「Clos de la Roche」などを試飲。

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太陽と月をモチーフにしたデコレーション。右下はよく見ると地球だよ、とミッシェルさん。

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息子さんが醸造担当、ご自身は今でも畑に出ていて、日焼けで真っ黒のミッシェルさん。
年輪の刻まれた目尻で(オット、それは失礼ですか?)、口調は直球ズバズバ・・・な感じ。
ご自分の人生で一番後悔しているのは、英語をきちんと勉強しなかったことだとか。(笑)
お客様と直接コミュニケーションが取れなくて残念、自分の話したことが正確に通訳され
マスコミに伝わっているのか、自分で確認できないのがもどかしいのだそうです・・・。

13時 話が盛り上がって、ずいぶん長居しましたが、レストランにてランチです。

14時45分 ドメーヌ・ドニ・モルテの栽培長に電話をしたところ(私の夫です、笑)
「ラヴォー・サン・ジャックに居るよ」とのこと。ラヴォー渓谷から吹き降りる冷たい風のため
この畑は少しだけ成長が遅いような気もします。

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「なぜブルゴーニュでは、樹が低いのですか?」 よく訊かれる質問です。
テロワールを重んじるこの地では、私達の目には見えない、地中深くから根が吸い上げる
栄養分が大切。根はときには15~20mも下まで伸びているのです。上に伸ばすよりは
下に伸ばしてあげるため、剪定によって樹の高さは膝下に保つのが一般的なのだそうで。

「あと、副梢は切らないんですね?」 日本では、そこまで切っているんですか~?
副梢というのは、主となる蔓からさらに伸びた枝。そんなものまで手入れをする手間隙は
ブルゴーニュでは掛けられません!その代わりにブドウは完熟しないので、取りません。

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日本で、剪定も芽かきも体験されてきたお2人の、せっかくだから活躍のチャンス?
「いやいや、ブルゴーニュの樹は違うので、触るの怖いです・・・(笑)」
今落としている若芽、天ぷらにして食べたら美味しいんですよね~という話ばっかりに。

15時45分 クロ・ド・ヴージョ城を望むミュジニーの丘、ロマネ・コンティの畑にて
写真撮影をしながら、ゆるりゆるりと南下します。

16時30分 ニュイ・サン・ジョルジュの隣り村、プレモー・プリセィへやって来ました。
ドメーヌ・ベルトラン・アンブロワーズを訪問。このお家も、お父さんが畑で頑張っていて
玄関先にはトラクターが横付けされていましたが、今日は米国出張のためにお留守。

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代わりに応対してくださったのは奥様。白ワインを中心に試飲したい旨を伝えると
「ブルゴーニュ・ブラン」に始まり、「サン・ロマン」「ラドワ一級畑グレション」「ムルソー」
「ニュイ・サン・ジョルジュ一級畑テール・ブランシュ」と、それぞれの畑が離れているので
地図で説明しながら飲ませてくださいました。

このドメーヌでは、特に「ラドワ」の白がお勧めです!1998年に一級畑に格上げされた
白ワインの新しい畑だそうですが、超がつくドライタイプで、サービス温度はいつも完璧。

小さな田舎の農家のように見えますが、9割以上は輸出向けで、わずかに残した分を
こうして個人客にも販売しているのだそうです。そういえば離れた所に大きな醸造所を
所有されて、結構大規模にやっていらっしゃるのでした。

ところで余談ですが・・・「アナタのお客様は英語喋れる?娘は話せるけれど私ダメで。」
という奥様、あの~ですから私が通訳ガイドをしているんですが~。(笑)
「私の娘は小さなベベが居るからね、出て来られないのよ。私も娘を預けて来るわ。」と
ご自分の2歳になる娘さんを、新米ママの娘さんに預けて・・・つまり妹を預かってるの?
うーん話が複雑。フランスですから、まぁいろいろな事がありますよね。(笑)

18時 話は逸れましたが、今日は「マジメに畑で働いているヴィニュロン」をテーマに
良い出逢いがたくさんあって、楽しい1日となりました。


オーダーメイドのワインの旅、お手伝いします。日本語メールにて花田宛にどうぞ。
by casteltresgirard | 2009-05-05 23:42 | 通訳ガイド・オーダーメイド
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